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令和8年6月30日判決言渡


令和8年(ネ)第10013号 商標権侵害差止等請求控訴事件(原審・東京地方


裁判所令和7年(ワ)第70055号)


口頭弁論終結日 令和8年5月14日


判 決


控 訴 人 一般社団法人焼き餃子協会


同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 河 部 康 弘


被 控 訴 人 一般社団法人餃子屋連盟會


(以下「被控訴人連盟會」という。)


被 控 訴 人 株式会社PROJECT963


(以下「被控訴人963」という。)


被控訴人ら訴訟代理人弁護士 滝 田 三 良


同 齊 藤 好 明


同 小 室 未 来


主 文


1 本件控訴を棄却する。


2 控訴費用は、控訴人の負担とする。


事 実 及 び 理 由


第1 控訴の趣旨


1 原判決を取り消す。2 被控訴人らは、原判決別紙被控訴人標章目録記載の標章を広告に付してはならない。3 被控訴人らは、原判決別紙被控訴人ウェブサイト目録記載の各ウェブサイトから、原判決別紙被控訴人標章目録記載の各標章を削除せよ。4 被控訴人らは、控訴人に対し、連帯して60万5000円及びこれに対する令和7年2月17日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。5 被控訴人963は、控訴人に対し、96万8000円及びこれに対する令和7年2月17日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。6 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人らの負担とする。


第2 事案の概要(以下、特に断らない限り、略語は原判決と同一のものを使用す


る。なお、原判決に「原告」とあるのを「控訴人」と、「被告」とあるのを「被控訴人」と、「別紙」とあるのを「原判決別紙」とそれぞれ読み替える。)1 本件は、控訴人が、被控訴人らが餃子等に関するイベントにおいて、原判決別紙被控訴人標章目録記載の各標章(被控訴人各標章等)を使用する行為が、控訴人の原判決別紙控訴人商標目録記載の登録商標(控訴人商標)に係る商標権(控訴人商標権)を侵害する(商標法(法)37条1項1号)と主張して、被控訴人らに対し、商標権に基づく被控訴人各標章の使用の差止め(法36条1項)及び原判決別紙被控訴人ウェブサイト目録記載の各ウェブサイトからの被控訴人各標章の削除(同条2項)、不法行為(民法709条及び719条、損害額につき法38条2項)に基づく60万5000円の損害賠償及びこれに対する不法行為の日の後である令和7年2月17日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、被控訴人963に対し、不法行為に基づく96万8000円の損害賠償及びこれに対する同日から支払済みまで同じく年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。原審が、控訴人の請求をいずれも棄却したところ、控訴人が本件控訴を提起した。2 前提事実、争点及び当事者の主張は、次のとおり補正し、後記3のとおり当審における控訴人の主な補充主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」中(以下、原判決を引用する場合に「事実及び理由」中との記載を省略する。)、


第2の1ないし3(原判決2頁6行目ないし同12頁25行目)に記載のとお


りであるから、これを引用する。


⑴ 原判決3頁19行目の「提出した」の次に「(以下、この手続補正後の本件出願を『本件補正後出願』といい、その出願に係る商標を『本件補正後商標』という。)」を加える。


⑵ 原判決4頁4行目の「行った(」の次に「商願2017-164522。」を、同頁7行目の「登録した」の次に「(控訴人商標権)」を、同頁8行目の「特許庁は、」の次に「平成30年9月19日付け証拠調べ通知書(以下『本件通知書』という。乙6)を発した後、」をそれぞれ加える。


⑶ 原判決4頁8行目、11行目、12行目及び19行目の各「原告商標」をいずれも「本件補正後商標」と改める。


⑷ 原判決6頁15行目及び16行目の各「あずき色」をいずれも「小豆色」と改める。3 当審における控訴人の主な補充主張


⑴ 被控訴人標章1及び2と結合商標の分離観察ア 「全国ぐっと!!」の部分は商標として注目されない原判決は、「上記各認定事実によれば、上記各記事ないし投稿のいずれにおいても、被告標章1及び2は本件イベント1のイベント名を示すものとして理解され、ほかに本件イベント1のイベント名を示すものとして理解し得る記載はこれらの画像には見当たらないことに加え、これらの画像のいずれにおいても餃子の画像及びイラストが大きな役割を占めていることを併せて考えると、被告標章1及び2は、需要者にとって、いずれも本件イベント1のイベント名を示すものとして理解されるものと認められる。」(原判決第3の1⑴ウ(ア)、原判決15頁)と認定した。しかし、餃子の画像及びイラストが大きな役割を占めていることから、「餃子フェス」の部分が注目を集めることはそのとおりであるが、だからといって、「餃子」と関係のない「全国ぐっと!!」の部分と分離観察できない理由にはならない。イ 感嘆符が結合商標を分離している原判決は、「このことに加え、本件審決が理由として示すとおり、餃子の提供を中心とするイベントの名称としては、『餃子フェス』のみでは自他識別機能に乏しいとみられることは論を俟たないといってよいほどであること、文字数も合計10文字(促音等を含み、感嘆符を除く。)とさほど多くなく、容易に一息で読み上げることができることにかんがみれば、『全国ぐっと!!』及び『餃子フェス』を結合した被告標章1及び2は、これらを上下二段に配した場合(被告標章1)及び一行に配した場合(被告標章2)のいずれを問わず、一連一体の標章として把握するのが相当である。」(原判決第3の1⑴ウ(ア)、原判決15頁)と認定した。しかし、「全国ぐっと!!餃子フェス」は、「全国ぐっと!!」の部分に感嘆符が二つ入っており、その部分で「ぐっと」を強調するために息を吐いて読み上げを止めることになるから、「容易に一気に読み上げることができる」という評価は誤りである。甲7のとおり、本件イベント1に出演したパフォーマーは、「全国ぐっと!!」の部分と「餃子フェス」の部分が同じ色の「全国ぐっと!!餃子フェス」の看板を見てなお、本件イベント1を「餃子フェス」と認識し、インスタグラムに「『餃子フェス』に・・・と出演してきました!」と投稿している。このことから、原判決の「文字数も合計10文字(促音等を含み、感嘆符を除く。)とさほど多くなく、容易に一息で読み上げることができる」という認定が誤りであることは明らかである。本件イベント2では、「全国ぐっと!ラーメン祭りWith餃子フェス」とされており、「全国ぐっと!」の部分と「餃子フェス」の部分は分離されている。このことからも、「全国ぐっと!!」の部分は単なるキャッチフレーズであり、需要者は本件イベント1の名称を「餃子フェス」と捉えていることは明らかである。ウ 原判決は根拠を示していない原判決は、「これに対し、原告は、『全国ぐっと!!』の感嘆符には文章を終わらせる役割があることや、『全国ぐっと!!』部分と『餃子フェス』部分の文字の装飾等の違い等を指摘して、被告標章1及び2のうち『餃子フェス』部分を抽出した分離観察により原告商標との類否判断をすべきである旨と共に、本件イベント1において原告商標の指定役務と類似する役務である大道芸の興行や餃子に限らない飲食物の提供が行われており、これらとの関係では『餃子フェス』の標章も識別力を有する旨を主張する。しかし、『全国ぐっと!!』部分と『餃子フェス』部分とを一連一体の標章として把握すべきことは、前記のとおりである。原告商標の指定役務との関係で『餃子フェス』に識別力があるとしても、そのことから直ちに被告標章1及び2の構成部分のうち『餃子フェス』部分を分離して商標の類否を判断すべきことにはならない。」(原判決第3の1⑴ウ(イ)、原判決16頁)と判断した。しかし、原判決は、何故文章を終わらせる役割のある感嘆符の存在や、「全国ぐっと!!」の部分と「餃子フェス」の部分の装飾が異なることが重視されないのかについて全く理由を述べていない。文章を終わらせる役割のある感嘆符の存在や、文字の装飾が全く異なることは、最高裁判決に示される「それを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない」場合に該当し得るものであり、何故分離観察を認める根拠にならないのか一切理由がない原判決には、説得力がない。控訴人の「本件イベント1において原告商標の指定役務と類似する役務である大道芸の興行や餃子に限らない飲食物の提供が行われており、これらとの関係では『餃子フェス』の標章も識別力を有する」という主張に対し、原判決は、「しかし、『全国ぐっと!!』部分と『餃子フェス』部分とを一連一体の標章として把握すべきことは、前記のとおりである。」として否定しており、その具体的な理由付けは、原判決の「餃子の提供を中心とするイベントの名称としては、『餃子フェス』のみでは自他識別機能に乏しいとみられることは論を俟たないといってよいほどであること」になる。控訴人の主張を否定する根拠として論理的に考えられるのは、①役務はあくまで餃子の提供のみである、②役務が大道芸の興行や餃子に限らない飲食物の提供であっても識別力を有しない(控訴人の主張どおりであっても問題ない)、であって、そのどちらも示すことなく、単に「餃子の提供を中心とするイベントの名称としては、『餃子フェス』のみでは自他識別機能に乏しいとみられることは論を俟たないといってよいほどであること」を根拠とするのは、論理性を欠く。被控訴人標章1及び2について、控訴人が損害賠償請求の根拠としている指定役務は、被控訴人963との関係では「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営」及び「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、被控訴人連盟會との関係では、「広告の代理」である(被控訴人連盟會については、被控訴人963との共同不法行為も成立する。)。控訴人は、餃子の提供について損害賠償請求をしているわけではない。あくまで指定役務との関係で、類否判断をすべきである。本件イベント1において、役務として餃子の提供が行われているとしても、それと同時に大道芸の興行や餃子に限らない飲食物の提供も行われていることもまた事実である。原判決のように、実際に大道芸の興行や餃子に限らない飲食物の提供が行われているにもかかわらず、餃子の提供も行われていることを根拠にして商標権侵害を否定できるとすれば、餃子の提供を組み合わせることによって、実質的に商標権を無効化できてしまう。本件イベント1において餃子の提供も行われていることは、あくまで損害論の中でイベント全体の貢献割合に応じた妥当な損害賠償額にすることで対応すべき問題であって、侵害・非侵害を判断するに当たって考慮すべき事実ではない。エ 被控訴人標章1及び2の役務は関係がない原判決は、「また、仮に分離観察し得るとしても、本件画像1の記載内容等にかんがみれば、大道芸の興行及び餃子以外の飲食物の提供のいずれも、餃子の提供を内容とする本件イベント1の集客ないし複数回来場や滞在時間の長期化等をより促進することなどを目的とする付随的なものに過ぎないとみられるから、原告商標の指定役務と被告標章1及び2が使用された役務との類似性に疑義がある。」(原判決第3の1⑴ウ(イ)、原判決16頁)と判断した。しかし、同時に大道芸の興行及び餃子以外の飲食物の提供が行われている以上、本件イベント1が餃子の提供を内容としていたという事情は、あくまで損害論の算定に当たって考慮すべき事実にすぎない。


⑵ 被控訴人標章3と商標的使用原判決は、「前記のとおり、餃子の提供を中心とするイベントの名称としては、『餃子フェス』のみでは自他役務識別機能に乏しい。本件画像3を全体としてみれば、本件イベント2は餃子の提供を中心的な内容の1つとするイベントであるといえることから、被告標章3は、自他役務識別機能を欠く標章の使用とみるのが相当である。」(原判決第3の1⑵ウ(イ)、原判決20頁)と判断した。被控訴人標章3について、控訴人が損害賠償請求の根拠としている指定役務は、「飲食料品の小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」である。控訴人は、餃子の提供について損害賠償請求をしているわけではない。あくまで指定役務との関係で、識別力を判断し、商標的使用かどうかを判断すべきである。本件イベント2において、役務として餃子の提供が行われているとしても、それと同時に、ラーメンや唐揚げ(ザンギ)、たこ焼き、ロングポテトや和菓子の提供が行われていることもまた事実である(甲8)。それどころか、「With餃子フェス」とされていることからも明らかなとおり、中心はラーメンの提供である。本件イベント2において餃子の提供も行われていることは、あくまで損害論の中でイベント全体の貢献割合に応じた妥当な損害賠償額にすることで対応すべき問題であって、侵害・非侵害を判断するに当たって考慮すべき事実ではない。


⑶ 被控訴人標章4ア 原判決は、「前記のとおり、被告標章4は、『全国ぐっと!』及び『餃子フェス.』の各文字部分を上下二段に配し、各自文字部分の文字に対する装飾及びフォントは同一であるものの、フォントサイズは後者が前者の4倍程度の大きさのものである。もっとも、餃子の提供を中心とするイベントの名称としての『餃子フェス』部分の自他役務識別機能の乏しさ(『餃子フェス』に『.』が追加されたことのみでは、この点の評価は異ならないとみられる。)に鑑みると、このような構成を考慮してもなお、『全国ぐっと!』部分と『餃子フェス.』部分は一連一体の標章としてみるのが相当である。」(原判決第3の1⑵ウ(ウ)、原判決20~21頁)と判断した。しかし、被控訴人標章4について、控訴人が損害賠償請求の根拠としている指定役務は、「飲食料品の小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」である。前記のとおり控訴人は、餃子の提供について損害賠償請求をしているわけではないから、指定役務との関係で識別力を判断し、商標的使用かどうかを判断すべきである。本件イベント2において、役務として餃子の提供が行われているとしても、それと同時に、ラーメンや唐揚げ(ザンギ)、たこ焼き、ロングポテトや和菓子の提供が行われており(甲8)、「With餃子フェス」とされているとおり中心はラーメンの提供であって、「餃子の提供を中心とするイベントの名称」であるという認定自体が誤っている。本件イベント2において餃子の提供も行われていることは、あくまで損害論の中でイベント全体の貢献割合に応じた妥当な損害賠償額にすることで対応すべき問題であって、侵害・非侵害を判断するに当たって考慮すべき事実ではない。イ 役務について被控訴人標章1及び2の理由は理由になっていない原判決は、「これに対し、原告は、本件イベント2では餃子以外の飲食物の提供が行われており、このような役務との関係では『餃子フェス』の標章も識別力を有する旨を主張する。しかし、被告標章1及び2と同様の理由から、この点に関する原告の主張は採用できない。」(原判決第3の1⑵ウ(エ)、原判決21頁)と判断した。しかし、被控訴人標章1及び2と役務の関係での原判決が控訴人の主張に対応しておらず根拠がないことは、既に述べたとおりである。


第3 当裁判所の判断


1 当裁判所も、控訴人の請求はいずれも理由がないものと判断する。その理由


は、当審における控訴人の主な補充主張も踏まえ、次のとおり補正し、後記2のとおり当審における控訴人の主な補充主張に対する判断を付加するほかは、原判決第3の1(原判決13頁1行目ないし21頁15行目)に記載のとおりであるから、これを引用する。


⑴ 原判決13頁5行目の「1つ」を「一つ」と改める。


⑵ 原判決15頁19行目の「とおり、」の次に「様々な工夫を凝らして来場


者に餃子を提供する催し物が『餃子フェス』、『餃子フェスティバル』のように称され開催されている実情があることなどから、」を加える。


⑶ 原判決16頁10行目から20行目の末尾までを以下のとおり改める。


「しかし、感嘆符は、辞書に『感嘆や強調を表す符合。エクスクレメーション‐マーク。』(広辞苑第七版)、『感嘆文の終わりにつける『!』の符合。エクスクレメーション‐マーク。』(大辞林第四版)などとあり、このうち『感嘆』については、『①感心してほめたたえること。・・・②なげき悲しむこと。』(広辞苑第七版)、『①感心してほめること。・・・②なげき悲しむこと。』(大辞林第四版)と、『感嘆文』については『過度な程度や特殊な状態に感嘆や驚嘆を表す文。感動文。』(広辞苑第七版)、『⇒感動文』(大辞林第四版。ただし、同書において、『感動文』については、『文を性質・内容の面から分類したときの一。感動の意を表す文で、主語・述語の形式が整わず、感動の気持ちをそのまま表現する。西欧語では文末に感嘆符『!』を付ける。感嘆文。』と記載されている。)などと記載があるところ、『全国ぐっと』自体は直ちに感動等を表現する文とは言い難いことから、被控訴人標章1及び2に示された二つの感嘆符は、強調を表す符合として用いられているもので、その前の文を終結させるものとして用いられたものとは認められないというべきである。加えて、本件通知書にも示され、本件審決の理由中でも判断に用いられているとおり、料理や飲料をテーマにした催し物において、『BSフジ東京会議発!名店の絶品カレーが集うカレーフェス開催!』のように、見出しや、あるいはその案内中に、感嘆符を付ける例は多くみられるところであり(乙5、6)、これらは強調を表して注目を集めるためのものにすぎず、特段文を終結させるものとして用いられているとはみられないものである。これら事実にもよれば、『全国ぐっと!!』の部分と『餃子フェス』の部分とは、二つの感嘆符が存することを考慮しても、これを一連一体の標章として把握すべきであり、これを前提として控訴人商標との類否を判断すれば足り、この判断は後記(ウ)で行うとおりである。」


⑷ 原判決17頁5行目の「観念」の次に「(控訴人商標からは餃子について


の催し物程度の観念を、被控訴人標章1及び2からは全国から餃子を集めて開催される催し物程度の観念を生じるというべきである。)」を加える。


⑸ 原判決20頁7行目の「前記のとおり、」の次に「様々な工夫を凝らして


来場者に餃子を提供する催し物が『餃子フェス』、『餃子フェスティバル』のように称され開催されている実情があることなどから、」を加え、同頁8行目の「のみでは」を「と表記したとしても、それ自体は」と、同頁9行目の「1つ」を「一つ」と、同頁10行目の「あるといえることから」を「あり、」とそれぞれ改める。


⑹ 原判決20頁23行目の「もっとも、」の次に、「既に述べたとおり、」


を、同頁26行目の「られる。)」の次に「や、『With』の次にまとまって表記されていることなど」を加える。


⑺ 原判決21頁3行目の「そうすると、」の次に「前記⑴ウ(ウ)のとおりの構


成を有する」を加える。


2 当審における控訴人の主な補充主張に対する判断は、以下のとおりである。


⑴ 控訴人は、前記第2の3⑴アないしエのとおり、


「全国ぐっと!!」の部分は商標として注目されず、感嘆符が結合商標を分離していることなどから、被控訴人標章1及び2は分離観察すべきであり、本件イベント1では大道芸の興行や餃子以外の飲食物の提供も行われていることから、これらとの関係では「餃子フェス」の標章も識別力を有すると主張する。しかし、補正の上で引用した原判決第3の1のとおりであり、二つの感嘆符は強調の意で用いられていて、必ずしも読中に息を止めるなどのことが想定されるとはいえず、被控訴人標章1及び2はいずれも一連一体のものであり、その一部を分離して観察するのが適当なものではないから、これに従い控訴人商標との類否を判断すべきである。そうすると、補正の上で引用した原判決第3の1⑴ウ(ウ)のとおり、控訴人商標は漢字及び片仮名を組み合わせた「餃子フェス」と欧文字「Gyoza Festival」を上下二段かつ左右略同一幅に書してなるものであって、被控訴人標章1及び2とは外観、称呼及び観念のいずれも異なるものであるから、控訴人商標と被控訴人標章1及び2は類似するものではない。そうすると、その余の点について判断するまでもなく、商標権侵害の事実は認められない。したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。


⑵ 控訴人は、前記第2の3⑵・⑶のとおり、被控訴人標章3及び4について、


あくまで指定役務との関係で商標的使用か否かを判断すべきである旨を主張する。しかし、補正の上で引用した原判決第3の1⑵ウ(イ)のとおり、本件画像3において、被控訴人標章3は自他役務識別機能を欠く標章の使用とみられるものであり、同(ウ)のとおり、被控訴人標章4は、控訴人商標と類似しないものであるから、控訴人の主張は前提を欠くものである。したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。


3 以上に認定判断したところは、当審における控訴人のその余の補充主張によ


っても、左右されるものではない。


4 よって、原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから棄却することと


して、主文のとおり判決する。知的財産高等裁判所第3部裁判長裁判官中 平 健裁判官今 井 弘 晃裁判官柵 木 澄 子

 
 
 

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